酒田五法はインジケーターなどを使わずに、チャート上のローソク足の組み合わせを分析するプライスアクション系の技術です。
ダウ理論やエリオット波動論と並んでFX、株式投資、仮想通貨のテクニカル分析においてまずはここからという基本的な考え方になります。
テクニカル分析の初心者の方はFXを学ぶにあたって必須の分野になるでしょう。
酒田五法は「実戦のトレードでは使えない」という評価も一定程度ありますが、多くの専業トレーダーは酒田五法が指し示すような需給の変化を、ローソク足から読み取ってトレードの判断の材料としていることも多くあります。
三空、三法、三川をはじめとする酒田五法など、「有名なチャートパターンの背景にはどのような需給状態が存在するのか」を理解することができると実戦のトレードの勝率向上に好影響を与えるでしょう。
酒田五法には多くのチャートパターンが存在するので形と使い方を一覧表からイメージしていきましょう。
チャートが上昇トレンドの時に出現する押し目チャートパターンを紹介します。
目次
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上昇トレンドでの買いサイン一覧表
チャートをクリック(タップ)すると、詳細解説がみられます。
二ツ星・三ツ星 | 抑え込み線 | 差し込み線 |
上げ三法 | 上値遊び | 上放れタスキ |
上放れの並び赤 | かぶせ線の上抜き | |
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二ツ星・三ツ星|上昇トレンドでの買いサイン
二ツ星三ツ星の基本条件
- 2~3本連続したものすごく小さな陰陽線(極線)
基礎知識【極線(コマ)】
極線とは、始値と終値の値幅がない(あってもかなり狭い)ローソク足のことを指します。
コマの形に似ていることから、そう呼ばれることもあります。
極線は、売りと買いのエネルギーが拮抗していて迷っている状態を表わしています。
極線1本の出現だけで大きな意味を成すローソク足ではありませんが、その後の値動きで株価の方向が決まるため注意が必要となります。
二ツ星・三ツ星 解説
トレンドが出ている最中で「極線」が連続して出現した場合、少ない値幅に売り買いのエネルギーが集まっていることを意味します。
上昇トレンドで出現の場合、大きく上昇してきて株価の上昇が鈍化しているが、下落もしていないと考えることができます。
①上昇トレンドの大陽線②2~3本の極線という「二ツ星、三ツ星」のサインの次にさらに陽線が続くようなら、上昇相場の継続が示唆されます。
下降相場での二ツ星三ツ星については『酒田五法|下降相場で出現する売りサイン』をご覧ください。
抑え込み線|上昇トレンドでの買いサイン
抑え込み線の基本条件
- 上昇相場
- 陽線の翌日に上放れして寄り付いた陰線
- 陰線の翌日からも連続陰線(2~4本程度)(ただし直前陽線の始値を下回らないこと!!)
- 陰線を上抜ける陽線の出現!!
抑え込み線 解説
上昇相場での連続陰線は、一見すると買い需要が減ってきており天上を漂わせます。
しかし、陽線の始値を割らない連続陰線は一時的にエネルギーが抑え込んでいる可能性が高いと考えられます。
それにプラスして、陰線を上抜ける陽線が出現することで上昇相場の継続が見込めます。
陰線を上抜ける陽線の長さによって、今後の上昇トレンドの強さを予想していきましょう。
連続陰線後の陽線が長くなるほど、上昇エネルギーが強いと考えられ、
逆に連続陰線後の陽線が短いほど買いシグナルの強さの根拠としては弱いものになるでしょう。
3本連続陰線だけに注目すると、「黒三兵」に見えてしまいますが、黒三兵の場合は陰線が「上放れ寄り付き」ではありません。
差し込み線|上昇トレンドでの買いサイン
差し込み線の基本条件
- 上昇相場
- かぶせ陰線(上放れして寄り付いた長めの陰線で、前日の終値は前日の高値より下で引けたもの)
- 陰線の翌日、下放れして寄り付いた陽線(前日の安値よりやや高値で引ける)
差し込み線 解説
差し込み線とは、未来の株価の方向性を強く暗示する二本足サインのひとつです。
陰線の翌日に下放れ陽線が発生した二本足は、陽線の長さによって4種類に分類されそれぞれ名前がついています。
- 陽線の高値が前日の安値以下で引ける
⇒『あて首線』 - 陽線の高値が、前日の陰線の安値または安値よりほんの少し高値で引ける
⇒『入り首線』 - 陽線の高値が、前日の陰線の実体の中心より下で引ける
⇒『差し込み線』 - 陽線の高値が、前日の陰線の実体の中心より上で引ける場合
⇒『切り込み線』
陽線が上の位置で引けるほど買いの勢力が高く、下になるほど買い勢力が少なく反発力が小さいことを示します。
上昇相場において、出現する差し込み線について解説します。
上昇相場でかぶせ陰線(上放れ寄り付きして前日の高値より下で引ける陰線)が出現した時点では、利確売りによって一度下落に転じた可能性が高いと考えられます。
翌日、下放れして寄り付いたにも関わらず窓を埋めて引けるということは、まだ株が買われ続けていることを示します。
買いの勢いが小さいと小さな陽線となりあて首線や入り首線となります。
そのため差し込み線の重要ポイントは、陽線の長さといえるでしょう。
上げ三法|上昇トレンドでの買いサイン
上げ三法は、酒田五法において5つある基本パターンのうちの1つ『三法』です。
上げ三法 解説
上昇相場において出現した上げ三法の翌日に大陽線が出現すると、上昇相場継続の示唆となります。
陽線の長さが長いほど、買いのエネルギーが強いことを示すため、陽線が短い場合は注意が必要です。
上値遊び|上昇トレンドでの買いサイン
上値遊びの基本条件
- 上昇相場で大陽線
- 大陽線の高値付近で数日間短めのローソク足がもみ合い
上値遊び 解説
上昇相場での大陽線が出て大きく上昇した後は多くの投資家がその後の値動きに注目する部分です。
値幅のすくないローソク足が同じような位置で複数並ぶのは、値動きが迷っていることを示唆します。
もみあいを上放れする陽線が出現すると上昇相場の継続が濃厚とうなります。
もみあい期間のローソク足の並び方にも注目です。
完全に横並びなら良いですが、団子天上(アーチを描くようにローソク足が並ぶ)になっている場合は徐々に売りの勢いが強くなってきていたり、買いの勢いが弱くなってきている恐れがあります。
団子天上は下落への転換シグナルとなりやすいため、注意しましょう。
団子天上については『【酒田五法】上昇トレンドで出やすい売りチャートパターン一覧|トレ転サイン』をご覧ください。
上値遊びの逆の形は、下降相場での売りサインとして『下値遊び』と呼ばれています。
下値遊びについては『酒田五法|下降相場で出現する売りサイン』をご覧ください。
上放れタスキ|上昇トレンドでの買いサイン
上放れタスキの基本条件
- 上昇相場(初動が多い)
- 上放れし窓空けした陽線
- 陽線の終値よりも下で寄り付き、陽線の安値を下回って引けた陰線
上放れタスキ 解説
タスキとは、陽線の翌日安値寄りして前日の安値より下で引ける・陰線の翌日高値よりして前日の高値より上で引けることを指します。
タスキ線はランダム期(上下のもみ合い期)出現においては方向性を示しません。
トレンドが出現している相場において出現した場合は、『調整』が終わりトレンドの継続となる可能性が高い形です。
ダマシのパターンもあるため、翌日に出るローソク足が重要となります。
- 強い買いシグナル:
上放れタスキの2本足の中心値より高値で寄り付く陽線 - 上昇相場基調:
陰線の安値がサポートラインとして機能して安値を支えるような形 - 上昇相場期待:
陰線の終値より安寄りしても陰線の高値より高値で引ける(陰線を包む形)の陽線
上昇相場最中の天井圏で、上放れタスキの2本目は安寄りした陰線の翌日に高値よりした十字線やコマが出た場合、
上昇トレンド終了サインの「捨て子線」を警戒する必要があります。
逆パターンとして、下降相場で出現する売りサインとして『下放れタスキ』があります。
上放れタスキについては『酒田五法|下降相場で出現する売りサイン』をご覧ください。
上放れの並び赤|上昇トレンドでの買いサイン
上放れ並び赤の基本条件
- 上昇相場
- 上放れして高値寄り(窓明けした)陽線
- 翌日も前日の陽線と同じ程度の長さの陽線
上放れ並び赤 解説
『並び赤』とは、同じくらいの長さの陽線が横並びになっている状態です。
2日間、同じ価格帯で出来高を蓄積して買いエネルギーを貯めていると示唆できます。
並び赤の翌日に高値寄りするような動きがあれば更なる上昇相場が予想されるため、注目しましょう。
並び赤の底値を割りこみ窓を埋めていくような下落が見られる場合は、要注意です。
かぶせ線の上抜き|上昇トレンドでの買いサイン
かぶせ線の上抜きの基本条件
- 上昇相場
- かぶせ線の出現
※かぶせ線については解説をご覧ください - 数日間のもみ合い
- 前日よりも高値よりして、かぶせ線の高値を越えるほどの大陽線
かぶせ線の上抜き 解説
『かぶせ線』とは、大陽線の翌日、上放れして高値寄りしたものの、伸びきれずに、前日の陽線の実体中心付まで下落して引けた陰線を指します。
通常かぶせ線は、前日の陽線が「ダマシ」の状態であることを示唆するローソク足として下落していく傾向が強いサインです。
かぶせ線の上抜きでは、その下落の傾向が強いかぶせ線が下落することなく「もみ合い」状態である時点で、買いのエネルギーがあると注目したいところです。
もみ合いを上抜けるような高値寄りをした日があった場合は値動きに注目していきましょう。
かぶせ線の高値を越えるほどの陽線が出現すると、『かぶせ線の上抜き』が完成すると上昇相場継続の示唆と考えることができます。
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