ダウ理論

FXのテクニカルを勉強するなら『ダウ理論』歴史編

「ダウ理論」は、現在のテクニカル分析の原点ともいわれており、2020年を過ぎた現在においてもテクニカル分析の研究手引きとしての価値があるものです。

ダウ理論の産みの親でもあるチャールズ・H・ダウ氏の歴史と、ダウ理論誕生の歴史を紹介します。

裏側を知ることで、ダウ理論の理解を深めるきっかけとなること間違いなしです。

チャールズ・H・ダウ(Charles Henry Dow) の年表

1851年(0歳) 米国にて誕生
1872年(21歳) 新聞記者となる
1882年(31歳) ダウ・ジョーンズ社 設立

経済ニュースレターの配布を始める

1889年(38歳) 日刊経済新聞『ウォールストリートジャーナル』を創刊
1896年(45歳) ダウ・ジョーンズ工業平均株価の掲載開始

工業株中心の12銘柄で構成

1900年(50歳) ウォールストリートジャーナルにて社説コーナーの執筆を開始
1902年(51歳) 死去

 

ダウ理論の原型は、ウォールストリートジャーナルの社説

チャールズ・H・ダウ氏が1900~1902年頃にウォールストリートジャーナルに書いたいくつかの社説がダウ理論の原型となっています。

それらの社説は、1896年に開始したダウ工業平均株価についてたった数年の検証をもとに書かれており、株式市場の動向について「平均株価」の概念を活用したのはこの時が世界発の出来事といわれています。

チャールズ・H・ダウ氏の語ったことは、あくまで「ダウ理論」の原型となったに過ぎません。

ではどのようにして完成をしたのでしょうか。

 

ダウ理論が完成するまでの年表

1902年 S.A.ネルソン氏の著書『株式投機のABC※1』にてダウ理論と命名

ダウ理論が普及し始める

1909年 ウォールストリートジャーナルの記者であるウィリアム・ピーター・ハルミトン氏が社説にてダウ理論を完成へと導く
1922年 ウィリアム・ピーター・ハルミトン氏が『チャールズ・H・ダウと株式市場バロメーター※2』でダウ理論の研究について出版
1932年 ロバート・レア氏の著書「ダウ理論※3」出版

※1:The A B C of Stock Speculation

※2:The Stock Market Barometer: a Study of its Forecast Value Based on Charles H. Dow's Theory of the Price Movement

※3:The Dow Theory

チャールズ・H・ダウ氏の没後、3人の手によってダウ理論が発展していったことがわかります。

ダウ理論と呼ばれるようになったものは、実質的には故チャールズ・H・ダウとウィリアム・ピーター・ハミルトンの市場における知恵の結集といわれています。

その理由については、

ハルミトン氏が発表していた社説"The Price Movement (価格の推移)"において将来の動向予測を読み取った理由と結果を記しており、これがダウ理論の「意味合い」を発展させたものだからだからと考えられます。

ロバート・レア氏が出版した「The Dow Theory 」は、チャールズダウ氏の社説とハルミトン氏の著書をもとに投資家や投機家に向けて提示されたものです。

 

ロバート・レア氏が出版した「The Dow Theory 」とは

ロバート・レア氏は、「The Dow Theory 」の冒頭で次のように話しています。

I have no qualifications to justify my writing a book on the Dow theory except a firm conviction that it is the only reasonably sure method of forecasting stock market movements. When a man is confined to bed for a great number of years as I have been, he has an opportunity seldom afforded others for study and private research, and unless he avails himself of some such privilege and considers it as offsetting the pleasures enjoyed by more fortunate men, he is apt to lose interest in life. For more than ten years my business affairs have been conducted from my bed and my only recreation has been the study of business economics—particularly the trends of business and of the stock market; and either the Dow theory or just plain luck caused me to buy a few stocks at the proper time in 1921 and prevented my owning any during the final stages of the 1929 uprush. Moreover, either the Dow theory or luck caused me to carry a short account of small proportions during the two years after the crash. Thus my study has paid dividends, and if I can explain the theory as I try to practice it, others may be helped. I hope so, anyhow.

(以下和訳)

私がダウ理論についての本を書くことを正当化する資格は、ダウ理論が株式市場の動きを予測するための唯一の合理的に確実な方法であるという確固たる信念以外にはありません。私のように何年も寝たきりの状態が続くと、他の人にはめったに与えられない勉強や個人的な研究の機会を得ることができます。10年以上、私の仕事はベッドの上で行い、唯一の楽しみはビジネス経済学、特にビジネスと株式市場の動向を研究することでした。ダウ理論か運のおかげで、1921年という適切な時期にいくつかの株を買うことができ、1929年の高騰の最終段階に株を保有することを防ぐことができました。さらに、ダウ理論か運のおかげで、暴落後の2年間は少額の空売り口座を持つことができました。このように、私の研究は報われましたし、私が実践しようとしている理論を説明できれば、他の人の助けになるかもしれません。いずれにしても、私はそう願っている。

 

ロバート・レア氏がダウ理論のおかげで報われたと述べている1920年代の相場はどのようなものだったのか、

実際のチャートをもとにどの程度凄かったのか、振り返ってみましょう。

 

1896年~1921年のダウ工業平均株価

1896年は、ダウ工業平均株価の掲載がスタートした年です。

上記チャートの青色の水平ラインは、1896年から1921年の変動した値幅を示しています。

1896年から1921年までの値動き変動について、

最安値は1896年の20.76ポイント

最高値は1919年の119.62ポイント

つまりこの間の変動はおよそ100ポイントです。

続いて、ロバート・レア氏が複数の株を所有することができた1921年~1929年の値動きを見てみましょう。

 

1921年以降のダウ工業平均株価

上記チャートの青色の水平ラインは、1896年から1921年の変動した値幅を示しています。

この間約100ポイントでした。

赤色の水平ラインは、1921年から1929年の上昇相場で変動した値幅です。

この間は約330ポイントです。

1921年~1929年の間は、1921年以前に比べ、約3倍もの値動きをしています。

つまり、ダウ工業平均株価の掲載始まって以来の大相場であることがわかります。

1929年以降の値動きも確認してみましょう。

 

1929年以降のダウ工業平均株価

1929年の後半に相場は崩壊して大暴落しています。

(1929年10月はひと月で約150ポイントの下落)

1929年のテッペンである386ポイントから、40ポイントまでの約350ポイント、

約2年に渡る下落相場が続くこととなりました。

1921年~1929年以降までの全体の値動きを見ると、

ロバート・レア氏が相場の初動から株を複数銘柄保有できており、

暴落が起こる直前の、まさに「高騰の最終段階」で株を売り抜けていることが分かります。

さらに、暴落後の約2年の下降相場においても、売りポジションをしっかり保有できていることになります。

ダウ理論に興味を持った方は、ダウ理論の6つの基本理念についても学びを深めましょう。

こちらもCHECK

FXのテクニカルを勉強するなら『ダウ理論』6つの基本理念

ダウ理論はテクニカル分析を行うにあたり必ず理解しなければいけない基本的な考え方です。 多くのテクニカル解説書でもまず真っ先に触れられるのがこの「ダウ理論」でしょ ...

続きを見る

おすすめ記事一覧

1

チャート株式とFXは、これからトレーダーで資産形成していきたいという個人投資家の中でも最もポピュラーな方法ですが、両者には明確な違いが存在します。 それぞれの商 ...

2

株の取引き経験はあるけど、違う商品ははじめて。 株もやったことないけど資産運用に興味があるのでFXをはじめよう。 数あるFX業者、結局どこの会社が一番いいの!? ...

3

酒田五法とは罫線分析の基本としても知られている日本古来の分析方法でも最も古しても知られています。 江戸時代の相場師「本間宗久」によって酒田五法の原型がつくられた ...

4

海外FXブローカーのXMで口座開設のやり方について、図解を交えながら解説します。 初めてXM口座を開設する方向けです。 このブログでわかること XMの口座開設の ...

5

トレーダーにも人気のあるオシレーター系インジケーターのひとつ「ボリンジャーバンド」。 インジケーターを使うときは、中身を理解した上で使用することが重要です。 ま ...

6

将来の貯金が不安でFXを始めたい、そんな想いを抱いている人は多いはずです。 投資・投機をするには軍資金が必要だけど、現状の金銭面に余裕がない私にはFXすら始めら ...

7

FXトレーダーにも人気の高い「MACD」。 MACDの概念を知らずに使用するのは危険です。 本記事では、MACDの基礎を勉強していきましょう。 Contents ...

8

投資・投機をするための商品はたくさんあります。 FXもその一つですが、怪しい・怖いというマイナスイメージが多いのも事実です。 ではFXとはどのような商品なのか、 ...

-ダウ理論

© 2021 FX勉強ドットコム Powered by AFFINGER5