今回は、MACDとRCIを併用した手法を解説します。
MACDは、オシレーター系のインジケーターですが、トレンド系の特徴も持っているインジケーターです。
RCIは、オシレーター系のインジケーターです。
この2つは、特徴が違うインジケーターなので、それぞれの特徴を生かしながらトレードに活用し、トレードの精度を上げることが可能です。
この2つを併用することで、チャートの値動きが分かりやすくなります。
目次
MACD・RCIを単体で使うときのメリットとデメリット
MACDは、トレンド転換でとても有効なツールですが、レンジ相場ではダマシが多くなるデメリットをもっています。
また、MACDのダイバージェンスは、トレードする際の有効なサインになりますが、ダイバージェンスが出現することはあまりありません。
MACDのメリットデメリットを詳しく復習したい方向けに参考ページを紹介します。
合わせてご覧ください。
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RCIは、時間と価格に注目したインジケーターです。
高値圏は、+80%以上(買われすぎ)、安値圏は、-80%以下(売られすぎ)です。
RCIで、大まかなトレンドの流れや相場の強弱がわかります。
強いトレンドでは、天井や底に張り付きますが、ボックス圏では、とても有効なツールです。
RCIは、初期の段階でMT4に搭載されていません。
トレーダーがダウンロードして、設定する必要があります。
インジケーターを単体でトレードした失敗例
(1) MACDだけでエントリーした失敗例
MACDのサインだけでエントリーしたものの、ダマシだった例として、2021年8月27日のポンド/円(GBP/JPY)の4時間足チャートを紹介します。
MACDのデッドクロスのサインが出たので、売りでエントリーすると仮定します。
しかし、このポイントからは価格が下がらず、上昇トレンドが続きました。
このポイントは、チャートで見ると押し目買いのチャンスになっており、トレ転のサインではなかったことがわかります。
(2) RCIだけでエントリーした失敗例
RCIのサインだけでエントリーしたものの、ダマシだった例として、2021年9月7日のポンド/円(GBP/JPY)の4時間足チャートを紹介します。
少し価格が下がった局面でしたが、短期RCI(9)は、上昇しており、中期RCI(26)は、下降しています。
RCIだけを見ていると迷ってしまうかもしれません。併せてMACDも確認した方が良いでしょう。
画像:GBP/JPY 2021年9月7日20:00 4時間足 エントリー
RCIとMACDだけでなく、必ずチャートのトレンドラインやダウ理論(レジサポ転換、ダブルトップ、ダブルボトムなど)を考慮して、チャートを見てトレードするのが基本です。
インジケーターだけに頼ることがないようにしましょう。
MACDとRCIを併用するメリットとデメリット
MACDやRCIの単体での使用は、ダマシが多くなり、トレードで勝つことが難しくなります。
MACDとRCIを併用することでダマシを減らすことができるでしょう。
また、この2つのインジケーターを使用する場合、長い時間(4時間足・日足など)の使用をおすすめします。
チャート主体にして、トレードすることが前提になります。
チャートとインジケーターを利用して、トレードの精度を上げて行きましょう。
MACDとRCIを併用手法の設定
(1)MACDの設定
この2つのインジケーターを併用する場合、多くのトレーダーが使用している下記の設定がお勧めです。
短期のEMA→12
長期のEMA→26
シグナルライン→9
(2)RCIの設定
RCIは、1本で使うより3本で使うことをお勧めします。
多くのトレーダーも3本を使うことが多いようです。中期のRCI(26)は、トレンドを示しており、長期のRCI(52)は、長い時間足のトレンドです。
ダマシを避けるためには、長期の時間足チャートを使用することをおすすめです。
短期→9
中期→26
長期→52
MACDとRCIを併用手法の売買シグナル
(1)買いの場合
エントリーの手順
- 短期のRCI(9)が上昇して高値圏に近づいた後、MACDがゴールデンクロスになっていることを確認しまします。
- 中期のRCI(26)も上昇していることを確認します。
- チャートでダウ理論を確認します。(レジサポ転換、Wトップ、Wボトムなど)
エグジットの手順
- MACDのデッドクロスを確認した後、中期のRCI(26)が高値圏から下降したことを確認します。
- 同時にチャートも確認します。(レジサポ転換など)
(2)売りの場合
エントリーの手順
- 短期のRCI(9)が下降して安値圏に近づいた後、MACDがデッドクロスになっていることを確認します。
- 中期のRC(26)も下降していることを確認します。
- チャートでダウ理論を確認します。(レジサポ転換、Wトップ、Wボトムなど)
エグジットの手順
- MACDのゴールデンクロスを確認した後、中期のRCI(26)が安値圏から上昇したことを確認します。
- 同時にチャートをみて確認します。(レジサポ転換など)
MACDとRCI併用手法の実例
(1)買いの場合の例
ポンド円(GBP/JPY)の4時間足チャートを例に紹介します。(2021年4月27日)
チャートをご覧ください。
【チャートの現在値の前提】
黄色の水平線は149.600ポイントです。
サポートラインとして機能&152.000ポイントの高値を付けるも149.600ポイントに向かって下降してきている場面なので、エントリーポイントを探りたいタイミングです。
実例解説|買いポジションのエントリーポイント
①最初に短期のRCI(9)が上昇して反応しています。
②次に中期RCI(26)の上昇とMACDのゴールデンクロスが確認できます。
③149.600ポイントがサポートラインとして機能したことも確認できます。
①~③から買いポジションのエントリーポイントと判断することができるでしょう。
続いて、この場合のエグジットポジションも確認していきましょう。
実例解説|買いポジションのエグジットポイント
エグジットについてです。
①MACDのデッドクロスを確認した後、中期のRCI(26)が、高値圏からの下降しました。
②チャートでもレジサポ転換があるので、買いポジションを決済します。
(2)売りの場合
ポンド円(GBP/JPY)の4時間足チャートを例に紹介します。(2021年8月13日)
チャートをご覧ください。
【前提】
ピンクの水平線は、直近のレジサポラインとして機能しているところで、エントリーポイントを探りたいタイミングです。
実例解説|売りポジションのエントリーポイント
①最初に短期のRCI(9)が下降して反応しています。
②次に、中期のRCI(26)の下降とMACDのデッドクロスが確認できます。
③チャートでもピンクラインがレジスタンスラインとして機能しています。
ここでエントリーすれば、利益を上げることが可能です。
実例解説|売りポジションのエグジットポイント
①MACDのゴールデンクロスを確認できます。
②中期のRCI(26)が、安値圏から上昇しています。
③150.000ポイントという値の節目付近でレジサポ転換しています。
売りのポジションを決済します。
まとめ|MACDとRCIを併用して検証してみよう
- MACD、RCIの単体使用はダマシも多い。
- MACDとRCIを併用することで、エントリーポイントをより絞り込むことができる。
- MACD、RCIの併用分析は長期時間足の向いている。
インジケーターは、検証しながら自分に合う設定を見つけていくことが大事です。
ぜひ、チャートをみながらトレードの練習をしてみましょう。