この記事ではオシレーター系の指標の一つであるRCIの概要から売買シグナル、RSIとの違いを解説していきます。
記事を読むことでRCIついて理解でき、FX初心者でもすぐに実践することができます。
目次
RCIとは
FXのテクニカル分析で用いられる指標であるRCIとは「Rank Correlation Index」の略で、日本語では「順位相関係数」と呼ばれます。
一定期間における終値と日付のそれぞれに順位をつけ、その相関関係によって-100から100の範囲で変動します。
RCIはオシレーター系の指標に分類され、その変動によって相場の過熱感(買われすぎ・売られすぎ)を判断することが可能です。
RCIの計算方法
オシレーターの成り立ちを理解してトレードすることはとても重要です。
RCIの計算方法を勉強していきましょう。
RCIの計算には「スピアマンの順位相関係数」が利用されており、下記の方法で求められます。
RCI={1-6d÷(n^3 - n)}×100
d:(終値の順位-日付の順位)^2の合計
n:期間
終値が高値を更新し続けた以下の5日間を例に計算を行います。
日付 | 終値 | 終値の順位 | 日付の順位 | (終値の順位-日付の順位)^2 |
8月25日 | 300円 | 5 | 5 | 0 |
8月26日 | 310円 | 4 | 4 | 0 |
8月27日 | 315円 | 3 | 3 | 0 |
8月28日 | 330円 | 2 | 2 | 0 |
8月29日 | 340円 | 1 | 1 | 0 |
※日付は最近のものを1として順位がつけられます。
RCI={1-(6×0)÷(225-5)}×100=100
RCIは100付近で上昇トレンド、-100付近では下降トレンドを表します。
上記の例では終値が高値を更新し続け、現在は買われすぎの上昇トレンドであると分析できます。
RCIのパラメーター設定
RCIの設定では、一目均衡表の「時間論」をもとに下記の設定を使用するケースが一般的です。
- 短期9
- 中期26
- 長期52
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RCIの売買シグナル
オシレーター系の指標であるRCIでは、買われすぎ・売られすぎといった相場の過熱感を知ることができます。
売買シグナルの発生はトレンドが反転するタイミングであることが多く、RCIは逆張りの取引に適した指標です。
RCIの代表的な売買シグナルに下記の4つがあります。
- 100または-100付近を横ばい
- 底値圏から-80を上抜けまたは、高値圏から80を下抜け
- 中期RCIと長期RCIのゴールデンクロス・デッドクロス
- 参考程度:0ラインとのクロス
100または-100付近を横ばい
RCIが100または-100付近で横ばいのときは、上昇または下降のトレンドにあると考えられます。
そのため100付近ならロング(買い)、-100付近ならショート(売り)のポジションを持つことで、FXの基本である相場に従った順張りの取引が可能です。
決済のタイミングは横ばいの変動の終了時です。ロングなら100付近からの下降、ショートなら-100付近からの上昇がトレンドの終わりと言えます。
そのためトレンドに従う順張りの取引は一度決済する方がいいでしょう。
高値圏から80を下抜け、底値圏から-80を上抜け
高値圏(100付近)から80を下抜け、底値圏(-100付近)から-80の上抜けはトレンドが反転するタイミングと分析できます。
それまで買われすぎ・売られすぎによって継続していたトレンドが反転し、相場が大きく動くことも少なくありません。
そのためこのシグナルが発生したときは、それまでのトレンドと逆方向にポジションを持つことで利益が狙えます。
決済のタイミングはロングなら80手前、ショートなら-80手前にするといいでしょう。その理由は高値圏、底値圏付近ではトレンドが反転することも多いためです。
また買われすぎ・売られすぎの基準である0ラインとのクロスも注意して見ておきましょう。
RCIのゴールデンクロス・デッドクロス
RCIでは一般的に短期・中期・長期の3本のラインが表示されます。
短期のラインが中・長期のラインを上抜けることを「ゴールデンクロス」、逆に下抜けることを「デッドクロス」と呼びます。
ゴールデンクロス・デッドクロスはトレンド系の指標である移動平均線で主に使われる売買シグナルです。
RCIでも移動平均線と同様に「ゴールデンクロスなら上昇トレンド、デッドクロスなら下降トレンド」とトレンドの発生を知ることができます。
決済はゴールデンクロス後のデッドクロス、またはデッドクロス後のゴールデンクロスとそれぞれ逆のクロスが発生したタイミングで行うといいでしょう。
また高値圏や底値圏、0ライン付近の変動にも注意が必要です。
参考程度:0ラインとのクロス
0ラインとRCIのクロスは、おおまかな相場の過熱感を知るのに最適です。
オシレーター系の指標であるRCIは、中央の0ラインを基準に買われすぎ・売られすぎを表します。
そのためRCIが0ラインを上抜けたら上昇トレンド、下抜けたら下降トレンドと見れます。
ただし、下記チャートのようなレンジ相場の場合、0ライン付近ではすぐに反転することもあるので注意が必要です。
RCIの0ラインクロスは、売買シグナルではなく、「RCIが0ラインより上なら買い方優勢、下なら売り方優勢」と相場の雰囲気を掴むための参考程度にとどめるのがおすすめです。
RCIとRSIの違い
RCIと似たオシレーター系の指標にRSIがあります。
混同されがちなRCIとRSIですがどのような違いがあるのでしょうか。
RSIは「Relative Strength Index」の略で、日本語では「相対力指数」と呼ばれます。下記の計算方法で一定期間の値上がり幅と値下がり幅の比率をもとに、0〜100の範囲で示されます。
RSI={(n日間の値上がり幅の合計)/(n日間の値上がり幅の合計+n日間の値下がり幅の合計)}×100
一般的にRSIでは70〜100で買われすぎ、20〜30で売られすぎと判断されます。
RCIとRSIの特徴を生かせる時間軸トレードは?
RCIはRSIと比べて敏感で細かく、両端の数値を取りやすい傾向にあります。
なぜならRCIが値動きの順位のみに注目するのに対し、RSIは値動き幅を計算に組み込むからです。
RCIは順位が同じなら値動き幅に関係なく同じ結果になりますが、RSIは値動き幅が異なると違う結果になります。
そのためRSIの方がより正確に相場の過熱感を知ることができます。
RSIに比べて正確性にかけるRCIですが、値動きへの反応度が高いためデイトレードなどの短期取引におすすめです。
一方で正確性の高いRSIは中・長期の取引やレンジ相場で力を発揮します。
ただし正確性にかけることがあるので利用する際は他の指標と合わせた分析が必要です。
まとめ|RCIとは
- 一定期間における終値と日付のそれぞれに順位をつけ、その相関関係によって-100から100の範囲で変動するオシレーター
- RCIは、その変動によって相場の過熱感(買われすぎ・売られすぎ)を判断する
- RCIの一般的なパラメーター設定は、短期9、中期26、長期52。
- RCIの売買シグナルは主に4つ。そのうち1つは相場の雰囲気を知るための参考程度に活用できる
RCIのみでのトレードはダマシも多く、他のインジケーターなどと合わせて活用することでFXの勝率を上げることができます。
その代表がRCIとMACDの併用手法です。
別のページでMACDとの併用手法の売買タイミングの解説をしています。
FXを極めて勝率を上げたい方は是非合わせてチェックしてください。
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