カナダの自国通貨であるカナダドル（CAD）は、地理的および経済的な関係から、米国との結びつきが深く、為替チャートにおいても、米ドル（USD）と似たような動きとなることが多く確認されています。
FXでは、CAD/JPY（カナダドル/円）の他に、USD/CAD（米ドル/カナダドル）やAUD/ CAD (豪ドル/カナダドル）などの通貨ペアがあります。
※ほとんどの通貨ペアで米ドル（USD）と似たような動きとなるため、USD/CAD（米ドル/カナダドル）を確認することで、両者それぞれの通貨強弱を見ることができます。
今回は、カナダドルの世界的な位置付けや特性、相場の為替が変動する要因、カナダドルと原油の関係について解説します。
カナダドルの世界的な位置づけ
カナダのGDPは、世界213カ国中で第9位に位置しており、1人当たりGDPは第20位となっています。
（いずれにおいても2020年時点の名目GDP）
したがって、カナダはいわゆる先進国に分類される国といえるでしょう。
※GDP（国内総生産）とは、一定期間で生産したモノやサービスの価値を示す指標であり、数値が高いほどその国の景気、及び経済が豊かだと判断できることから、カナダは経済的にかなり安定した国と言えます。
カナダの高水準なGDPを支える大きな要素として、サービス業があり、カナダGDPの約6割を占めています。
また、カナダには石油や天然ガス、金属等といった豊富な天然資源があり、貿易が盛んです。
そのため、カナダドルは、先進国通貨以外にも資源国通貨という側面があります。
（※資源国通貨とは、鉱物資源やエネルギー資源、食料資源などを産出し、それを主要な輸出品としている国の通貨のことです。）
カナダドルの他に、米ドル、豪ドル、ニュージーランドドルが代表的な資源国通貨とされています。
なお、カナダは航空産業、自動車産業も盛んなので、航空機や自動車も貿易の対象となっています。
1994年の北米自由貿易協定（NAFTA）締結以降、貿易の約8割を米国が占めていることは覚えておきましょう。
※2020年に、北米自由貿易協定（NAFTA）に代わり、米国・メキシコ・カナダ協定（USMCA）が締結されています。
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先述の通り、カナダが豊富な天然資源を有することから、自国通貨であるカナダドルは、資源国通貨です。
カナダドルは原油価格の影響を受けやすいという特徴があり、原油価格が上昇する局面ではカナダドルは上昇しやすく、逆に原油価格が下落する局面ではカナダドルは下落しやすくなります。
※カナダドルと原油のより詳細な関係については、実際のチャートとともに後述します。
カナダドルが上昇/減少したからといって、原油価格が上昇/減少することに繋がらないと考えられます。
〇：原油価格の上昇/減少→カナダドルの上昇/減少
×：カナダドルの上昇/減少→原油価格の上昇/減少
カナダドルと原油の相関｜実際の値動きから
上記チャートは、カナダドルと原油の値動きを表わした日足チャートです。
- ローソク足チャートUSD/CADの値動きを逆さにした1/USD/CAD日足チャート
- オレンジのラインチャート⇒原油の米ドル建て日足チャート
カナダドルと原油価格は、正の相関になるケースが非常に多いです。
1時間足、15分足チャート等の短期足では、相関関係が確認できないケースが多いですが、日足等の上位足チャートでは、上記のような綺麗な相関関係を確認できます。
2021年は比較的相関がみられる値動きですが、2022年は相関関係が崩れています。
カナダドルと原油は常に相関している訳ではなく、相関することが多いということがわかります。
原油価格の変動
既に実際のチャートでも確認した通り、カナダドルは原油価格と密接に関係する資源国通貨です。
カナダドルのトレードをする際には、実際の原油価格をチェックをしましょう。
実際に過去（1990年頃～2022年）のWTI原油CFDの月足チャートを確認してみましょう。
以上のチャートのように、原油価格は、国際情勢や経済状況により常に激しく変化しています。
ピンクで四角く囲まれた部分は、顕著に価格変動していますが、リーマンショックに伴う円高、そして、シェール革命による原油価格の大幅な減少が起因していると考えられます。
※シェール革命とは、2000年代後半にアメリカで地下約2,000メートルのシェール層に閉じ込められた天然ガスを掘削する技術革新が起こった出来事です。
これにより、ガスの増産が可能になったため、原油価値の減少による価格暴落に繋がりました。このように、シェール革命により、世界のエネルギー情勢が一変するほどの影響が発生しました。
原油について詳しく知りたい方は、以下参考ページよりご覧ください。
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カナダドルが上がる要因
| 国際情勢 | 原油価格の上昇、米ドルの上昇 |
| 金融政策 | カナダ中銀が発表する金利政策（利上げ）・金融緩和策の縮小 |
| 経済指標 | カナダにおける失業率、GDP、消費者物価指数などの経済指標が市場予想を上回った場合 |
カナダドルが下がる要因
| 国際情勢 | 原油価格の下落、米ドルの下落 |
| 金融政策 | カナダ中銀が発表する金利政策（利下げ）・金融緩和策の拡大 |
| 経済指標 | カナダにおける失業率、GDP、消費者物価指数などの経済指標が市場予想を下回った場合 |
カナダドルの特性を理解してトレードしよう！
カナダは、2022年時点でGDPを上昇し続けている先進国でであり、FXにおいて安定した為替通貨と考えられています。
また、豊富な天然資源を有する資源国通貨であり、原油の価格の影響を受けやすいと言われています。
スイングトレード、ポジショントレードには、ファンダメンタルズの観点から、原油価格のトレンドを把握しておく必要があります。
原油について詳しく知りたい方は、以下参考ページよりご覧ください。
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