現在、米国市場においてテーパリングの開始時期が大きな注目の的となっています。
2021年8月28日に行われたジャクソンホール会議時点では、年内にテーパリングが開始されるということが確実視されていました。
しかし、8月の米国雇用統計を見ると予想と大きくかけ離れた結果が明らかとなったのです。
果たして、今後米国市場はどうなってしまうのでしょうか?
今回は、そんな2021年9月3日(金)に発表された8月の米国雇用統計&ISM非製造業景況指数の概要とSNSの反応について見ていこうと思います。
8月の米国雇用統計&ISM非製造業景況指数の概要
米国雇用統計の概要
米国雇用統計とは、米国労働省(U.S. Department of Labor Bureau of Labor Statistics)が就業している人の数や失業している人の数を調査し、アメリカの雇用の情勢を統計したものです。
毎月第一金曜日に発表されアメリカの経済指標の中でも最も重要なものの一つとして注目されています。
雇用統計について、詳しくは別記事にて解説していますので、合わせて勉強してみてください。
発表される指標の中でも特に重要な「非農業部門雇用者数」と「失業率」を直近3ヶ月の予想と結果とともに見ていきましょう。
【非農業部門雇用者数】
データ期間 | 予想 | 結果 | 前回改定値 |
2021年08月 | 73.3万人 | 23.5万人 | 105.3万人 |
2021年07月 | 87.0万人 | 94.3万人 | 93.8万人 |
2021年06月 | 72.0万人 | 85.0万人 | 58.3万人 |
【失業率】
データ期間 | 予想 | 結果 | 前回改定値 |
2021年08月 | 5.2% | 5.2% | --- |
2021年07月 | 5.7% | 5.4% | --- |
2021年06月 | 5.6% | 5.9% | --- |
ISM非製造業景況指数の概要
Institute for Supply Management(全米供給管理協会)通称ISMが300社以上の仕入れ担当者を対象にアンケート調査を実施し、そのアンケート結果を指数化したものが「ISM非製造業景況指数」です。
「ISMサービス業景気指数」と呼ばれることもあり、サービス業の景気状態を図る重要な指数となっています。
米国市場はサービス業が3分の2以上を占めると言われており、ISM非製造業景況指数もアメリカの経済指標の中でも最も重要なものの一つとして注目されています。
ISM非製造景況指数について、詳しくは別記事にて解説していますので、合わせて勉強してみてください。
ISM非製造景況指数に関する記事
こちらも、直近3ヶ月の予想と結果とともに見ていきましょう。
【ISM非製造業景況指数】
データ期間 | 予想 | 結果 | 前回改定値 |
2021年08月 | 61.6 | 61.7 | --- |
2021年07月 | 60.5 | 64.1 | --- |
2021年06月 | 63.5 | 60.1 | --- |
米国雇用統計は予想を大幅に下回った
ISM非製造業景況指数は予想が61.6に対し結果が61.7と概ね一致しました。
問題なのは米国雇用統計です。
非農業部門雇用者数は前回比23万5000人増という結果になりました。
予想が75万人でしたのでこの結果は大きく予想を下回ることになったのです。
6月が93万8000人増、7月が105万人増と順調に増加していただけに、ここでの失速は労働市場回復にとって大きな痛手と言えるでしょう。
失業率は前回5.4%から2ポイント下がり5.2%でした。
予想も5.2%でしたので期待通りという一見期待通りのように見えます。
しかし、FRBは今年中に失業率が4.5%までの低下を期待しており、その基準からすると依然としてまだ高いと言えるでしょう。
テーパリングは先送りになるのか?
年内の開始が有力視されていたテーパリングですが、米国雇用統計の発表を受けその期待感は大きく低下しています。
8月27日に行われたジャクソンホール時には、「早ければ9月のFOMCにテーパリング開始が発表されるのでは?」と言われていました。
しかし、今回の発表により年内のテーパリング開始は厳しいという見方が強まっています。
デルタ株によるコロナ感染の影響や、半導体不足による製造業関連の伸び悩みも懸念材料です。
2021年10月発表の雇用統計次第で事態が大きく動くと予想されます。
今はいかに損をしないかが重要
今はどちらに転ぶかわからないといった相場状況です。
確かに年内のテーパリング開始は難しいという意見が多数派であると言えるでしょう。
ただし、失業率は予想通りであり、個人消費支出物価指数は順調に回復しています。
また、ジャクソンホール会議にてFRB議長であるパウエル氏はアメリカの経済回復が予想通りならテーパリング開始に踏み切るということを明言しています。
年内テーパリング開始の可能性が0というわけではなく、どちらに転んだとしても大きな損をしない立ち回りが重要と言えるでしょう。
ジャクソンホール会議に関する記事
SNSの反応
ドル円に関する反応
8月米国雇用統計の結果が予想とは大きく違うものとなって影響で、ドル円に関しても予想がしづらい相場となっています。
やはり、SNS上でも予想が難しいといった声が多く見られます。
今は相場判断に自信がない場合にはあまり積極的に動かないのが賢明でしょう。
明日の市場が楽しみですね。
上か下か、弱々か笑個人的にはみんな様子伺いの弱々なちょい下な気がします。
北京取引所の件もありますし、
中国株上がったりしたら面白いんですがね🇨🇳w想定外の悪すぎる雇用統計でよくわかりません。
誰か教えて下さい💧
— kesuidakun@米国SOXLレバナスCWEB (@suke0941) September 5, 2021
どのアナリストだったかなー、アメリカは9月で失業手当が終わるから、8月分の雇用統計は伸びるとTVで言っていたのは、、、まったく当たりませんね。こういうのってTVで振り返りしないのでしょうかね、、、振り返りするかしないかで、印象違うと思いますがね。
— oguri @ BURGUNDY CHAMPAGNE (@oguogu2010) September 5, 2021
デヴィフジン@ドル円CFD様
お疲れ様です。
なま足雇用統計です。
ボラ感半端ないです。
スキャルでもOKみたいな(笑)— FXトレーダーマンズ (@FxYY10437584) September 5, 2021
米国株に対する反応
米国株に関しても同様に、相場判断が難しいという声を多く見かけます。
年内のテーパリング開始が無理なのではないかという意見も多く見られ、相場が落ち着くまで様子見をする人もいるようです。
翁のライブ見てたけど、雇用統計でFRBがどう動くかまで順序立てて解説してくれるあたり、自分で到達できないなと思った。
自分で分かってたのは、賃金上がってるから長期金利上がってるのは分かるけど、その先の展望がさっぱり分からんかった。
— きっちょむ🇺🇸米国株 (@Daily3xUltraPro) September 5, 2021
何度でも言うけど
アメリカ雇用統計悲惨な
失業率は変化無い様に見えるけど働く事を諦めた人は入って無いからね
母数に気をつけろよ
長期金利も下がって来て
今年予定のテーパリング
が出来ないからな
凄えヤバい状態なのに
株価が上がってるって
狂ってるぜ!
金持ち破産な— YAMANOKanata (@KanataYAMANO) September 5, 2021
投資信託ってもしかしたら
積立日によだてはパフォーマンスに差が出てしまう可能性あるよな~🤔だって雇用統計が発表される
月始めは株価の変動が大きいし
半ばでは少しずつ回復して
月末には発表に備えて落ち着くみたいな😅まぁ計算も分析した事もないけど
ね😂😂😂— あんころ (@IamAnkoromochi) September 5, 2021
大きく動く日経平均
雇用統計が発表される直前の東京時間の昼頃に菅総理理大臣が次期自民党総裁選への不出馬を発表。
次期政権への期待感からか、日経平均は前日比584円高の大幅上昇で取引を終えることになりました。
欧州時間に入ると日経平均先物はさらに上昇し29400円台へ。
雇用統計の発表直後は一時的に売りが入ったものの、再度高値を取り先物の終値は29580円で引けることとなりました。
8月下旬のトヨタショックから考えると25000円以上の大幅上昇をしたことになります。
そのため大きなボラティリティに対応することができずに、8000万以上の損失を出してしまう先物トレーダーもいました。
奇跡は起きなかった
さよなら pic.twitter.com/bu74YkssN0— ぷるぷるプリン (@mogmogtime8) September 3, 2021
今までも何度か数千万のピンチはあったんだけど、なんだかんだ戻したり切り抜けてきたから今回もなんとかなると思ってナンピンとか両建てとかしてがんばってみたけどダメだった。
でもいつかこんな日が来るとは思ってた。
それが今日だっただけ— ぷるぷるプリン (@mogmogtime8) September 3, 2021
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まとめ
9/3(金)に発表された8月の米国雇用統計&ISM非製造業景況指数の概要とSNSの反応について見ていきました。
予想が外れることがあるということは重々承知ですが、あれほどまで結果と差があるのは驚きでしたね。
今は相場が非常に読みづらい環境です。
このような時には、いかに大きな損をしない立ち回りをするかが重要と言えるでしょう。
リスク管理をしっかりと行い、引き続き米国市場の動きに注目していきましょう。
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